北国街道今庄宿【福井県南条郡南越前町】
今年の5月に福井県の北国街道沿いにある今庄宿が国の重要文化財として指定されたので、ある夏の日に行ってみた。
今庄は福井県の嶺北と嶺南を隔てる木の芽山地の嶺北側にあり、古くから交通の要衝として整備されてきた。江戸時代には街道沿いの宿場町として栄えた。明治時代に入り北陸本線が開業すると、今庄-敦賀間の山越えの拠点として栄えた。今でこそ北陸トンネルが開通して特急が通過する駅になってしまったが、古くから残る宿場町の建物や雰囲気はとても良いものである。
▲駅前に静態保存されているD51
▲今庄駅付近を通過する特急しらさぎ
とりあえず駅から出て、今庄そばで腹ごしらえをする。
今庄そばは基本的にそばと大根おろしに濃いつゆをかけて食べる。ぶっかけうどんと似たようなものだ。この日は小雨が降る蒸し暑い天気だったが、冷たいそばののど越しを楽しんだ。
越前そばとは何が違うのだろうか…
▲おろしなめこそば
宿場町の南側に来てみた。左の道を行くと宿場町の中、右に行くと今庄駅前に出る。
近くにはほとんど参拝客が来ないであろう稲荷神社がある。
山の斜面を上るため人がめったに来ないのであろうか、石段には苔が生えている。
歩いていて足運びを間違えると滑って転んでしまいそうだ。
お狐様の周りの木の勢いが甚だしい。
宿場町には今でもなお営業している酒屋が4軒ある。
酒など買わんぞと思いつつスルーしてしまった…が、結局駅のお土産屋で4合瓶を買ってしまった。
旅籠屋や酒屋として残っている建物はどれもとても大きい。
スマホのカメラでは端から橋まで収まりきらないので、一眼レフを持ってきたかったのだが、あいにく故障中のため断念した。
かつて宿場町の貴賓客を泊めるための本陣があった跡。
今では建物は残っておらず、その広さだけが当時の建物の大きさを思い起こさせる。
今はひっそりとした山あいの町は、かつては宿場町と鉄道の町であった。
2~3時間ほどで回ることができるコンパクトな街なので、また足を運んでみたい。